10月26日、中野plan-B にて大熊ワタル出版記念ライブ・パーティーが行われました。7時30分からシーサーズ、元絶対零度、十時由紀子トリオ、シカラムータの演奏が10時30分まであり、会場は熱気に包まれ、酒盛りは0時すぎても続きました。
 大熊さんのシカラムータ・インストアライブ(無料)が行われます。
 11月3日ディスクユニオン新宿ジャズ館20時から
 11月4日新星堂ディスクイン吉祥寺14時から
     タワーレコード新宿18時30分から

 インパクション127号を10月26日に配本しました。
定価1400円+税 送料は310円です。9.11「同時テロ」をどう考えるか、この事件を機に戦争できる国家体制に急速に踏み出す日本を、さまざまな視点から考える特集です。ぜひお買い求めください。
                             

(2001.10.27記)



大熊ワタル「ラフ・ミュージック宣言 チンドン・パンク・ジャズ」出版記念ライヴパーティー

ラブか、ラフか
 私たちの友人である大熊ワタル君が、初めての単行本『ラフミュージック宣言 チンドン・パンク・ジャズ』を上梓しました。
 まさに奇書。書店の方々も、音楽のフロアに置いていいものか、そのうえ、ロックなのか、ジャズなのか、大衆演芸なのか、民俗学なのか、大いに迷われることでしょう。
 これこそ大熊ワタルの真骨頂、ラブ・ミュージックか、ラフ・ミュージックか。ラブ・ムーブメントか、ラフ・ムーブメントか。音楽の欄外から、世界の欄外に飛び出して、欄外から欄外を跳び歩く彼を、ねぎらいつつさかなにして、ここは一夜の饗宴を催したいと思います。
 場所は、映画『山谷 やられたらやりかえせ』をはじめ、思い出降り積もる中野プランB。あの坂を上りつつ、私たちが積み上げたもの。あの坂を下りつつ、私たちが振り落としていったもの。ぜひ、お集まり下さい。



日時:10月26日(金) 開場7:00/開演7:30
会場:中野plan-B(03−3384−2051)
   地下鉄丸の内線中野富士見町から5分
会費:4000円(飲食付)※限定予約制 
出演:シカラムータ
予約・お問い合わせ:インパクト出版会 tel:03-3818-7576
                   fax:03-3818-8676
                   e-mail:impact@jca.apc.org
             rough music e-mail:miwataru@nifty.ne.jp
             http://homepage2.nifty.com/roughmusic/
  必ず、電話かFAXかEメールにて10月18日までにお申し込みください。
呼びかけ人・酒井隆史・桜井大造・高橋研一・平井玄・東琢磨・深田卓

※尚、当日会場にて、12月20日(木)吉祥寺スターパインズカフェでの
 シカラムータ・ニューアルバム「凸凹」発売記念ライヴチケットを
 優先販売(整理番号早め)致します。
                         (2001.10.5記)


タイトル:大熊ワタル「ラフ・ミュージック宣言 チンドン・パンク・ジャズ」出版
記念ライヴパーティー
日時:10月26日(金) 開場7:00/開演7:30
会場:中野plan-B(03−3384−2051)
会費:4000円(飲食付)※限定予約制
出演:シカラムータ
予約・お問い合わせ:インパクト出版会 tel:03-3818-7576
                        fax:03-3818-8676
             rough music e-mail:miwataru@nifty.ne.jp
             http://homepage2.nifty.com/roughmusic/
※尚、当日会場にて、12月20日(木)吉祥寺スターパインズカフェでの
 シカラムータ・ニューアルバム「凸凹」発売記念ライヴチケットを
 優先販売(整理番号早め)致します。
                            (2001.9.27記)


 大熊ワタル著『ラフ・ミュージック宣言 チンドン・パンク・ジャズ』を刊行した。
 早速出た信濃毎日新聞の書評(8月19日)を転載する。
 「著者は幅広い音楽活動で知られるユニークなクラリネット奏者。前衛ロックをスタートに、チンドン楽士を経て自己のバンド「シカラムータ」結成。ロック・ミュージシャン中川敬らのグループ「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」にも参加している。
 さまざまなメディアの発表してきた文章を集めた本書は路上音楽の歴史を論じたもの、世界の民衆音楽を紹介するもの、ツアーの日誌などからなる。ヒットチャートからは見えてこないさまざまな音楽の在り方を提示。」

 なお、大熊さんの同報メール「ROUGH☆MUSIC☆NEWS」から大熊さんの近況と日程をお知らせします。
 「☆久し振りにTOKYO FMの番組「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」に出て来ました。
 放送は明朝(26日)AM5:00! 誰が聞いとるんじゃ…、という時間帯ですが、先の拙著や、もうすぐ大阪で開催の「第2回全国ちんどん博覧会」の話などをからめつつ、ちんどん関連のさまざまなCDをかけてもらいました。この秋発売予定のシカラムータ新譜『凸凹(デコボコ)』からも1曲だけ、ちらりとお聞かせします。
 お相手は聞き上手の名パーソナリティー田中美登里さん、はじめてお会いしたのは 篠田君の追悼番組『ストリートでまた会おう!』でしたっけ。
★で、来週いっぱいは「ちん博」などで大阪三昧の日々。
 会場は大阪天満宮、いまや全国最強のちんどん集団「東西屋」がホスト役ですが、気合い入ってますよ、これは。三日間(29〜31日)境内・外各所で盛りだくさんな出来事が起こるようです。
 全国のちんどんチームの大集合バトルも要注目ですが、大道芸からパフォーマンス、音楽と、クセ者ぞろいの「ゲスト」勢も見逃せない!  ああ、鼻血が出そう。
 また実行委HPも、なんでも「インパク」(『インパクション』じゃないって、楽屋落ち?)で「何とか大賞」をとったそうで、いやはや盛り上がってます。
 今回は僕は一楽士として、控え目に、どちらかというと「ウォッチャー」的に張り付いてみよう思いますが、もちろん「行商」も大目的で、本を著者自ら売りさばかなくてはなりません。
 (問)実行委 東西屋06-6764-1984 tozaiya@netplus.ne.jp
☆東京でのライブは、まず9月6日(木)浅草の「なってるハウス」03-3847-2113テナーサックス:登敬三、ベース:船戸博史(以上フロム京都)ドラム:つの犬、とすばらしいメンツ。特に登敬三、いま一番ぐっとくるサックスです。人が来ないことで有名なお店らしいので、みなさん! よろしく…。
★お次がお台場・TLGでスウェーデンの伝説的鍵盤詩人:ラーシュ・ホルメル公演です。
 9月16日(日)18:30〜「TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION 」03-5531-2025去年冬のライブがあまりに面白かったので、本人たっての希望で再来日が実現しました。
 日本勢も吉田達也(d)清水一登(key)向島ゆり子(vln)坂本弘道(cello)と、ありそうでなかなか無い顔合わせですが、今回バンド「SOLA」としてスタジオ録音も行われます。乞うご期待!」
                          
(2001.8.25記)


出版目録2001年版が出来てきました。
全書籍の表紙が掲載されています。
今年版からは装丁者の名前も入れました。必要な方はメールを下さい。
                        (2001.7.5記)


6月22日『インパクション』125号を配本しました。
特集は「グローバル・ミリタリズム」です。
7月刊行図書は、大熊亘著『チンドン・パンク・ジャズ』、著者のホームページには小社リンク集からアクセスできます。
                         (2001.6.23記)


6月5日(火)
 インパクション125号の下版にかかっている。特集は「グローバル・ミリタリズム」、15日発売の予定だ。
 さて、来週11日発売で天野恵一著『「日の丸・君が代」じかけの天皇制』を刊行する。天野天皇制ウォッチング第4弾(社会評論社版から数えると第6弾!)で、A5版382頁で3500円、破格の安値だ。ぜひお買いあげを。
 『四国八十八ヶ所ブラブラ旅』がけっこう売れている。といっても小社のことだから世間のいわゆる売れているというのにはほど遠いのだが。
 読者カードから転載しておく。
 「このたびは楽しいそして意義のある巡礼紀行を読ませていただき、ありがとうございました。私は信仰心はなく、ただ四国巡礼にあこがれを持っています。厳しい山や坂を、時にはバスや車を利用したとて88ヶ所を巡礼する心は、ご立派、尊敬します。どうぞ、お身体をお大切に又、気が向きましたなら、お四国参りをして、素敵な旅日記を出版して欲しいものです。アユのおいしい季節になりました。小夏の甘酸っぱい頃でもありますね。くれぐれもご自愛下さい。アリガトウ、アリガトウ、ございました。」(福山市・M・K子、66歳)
 「私もお四国さん参拝を致したく思いつつも気を失し大変興味深く拝読しました。著者の健康を祈ります。」(大阪市・T・R、88歳。震える字で書かれている)(2001.6.5記)


 4月11日付で、最高裁判所からガサ国賠上告棄却の決定が送達されてきた。
 私のうちにガサがあったのは1987年12月26日、それから13年半にもわたって、国家賠償請求裁判を続けてきたわけだ。
 私へのガサは日本赤軍の丸岡修さんがらみのもので、同じ件で2ヶ月間に270ヶ所が無差別ガサを受けたといわれている。そのうち64人で国家賠償請求を始め、1審で松下竜一さんら6名が一部勝訴、2審で一部勝訴者は5人にへったが、残った者で上告審を闘い、敗れ去ったわけである。
 何とか私たちの経験を今後に残していく作業をして、この裁判に関わってきたことの決着をつけたいと思っている。(2001.4.24記)


 『年報・死刑廃止2000-2001 終身刑を考える』は3月12日に配本しました。
 4月6日には、君塚みきお『四国八十八ヶ所ブラブラ旅─七十二歳からの巡礼紀行』と高橋リリス『サバイバー・フェミニズム』を同時配本します。
 『四国八十八ヶ所ブラブラ旅』は七十二歳になった著者が四回に分けて四国をまわった紀行文ですが、けっこう読ませるものです。最後につけられている俳句のようなものは、終戦直後からラーゲリに幽閉されたときに同僚がどんどん死んでいく体験を哀悼の思いを込めて歌ったもので、著者がお遍路さんをしたきっかけの一つはそこにあります。ぜひごらん下さい。
 昨日4日、『インパクション124』下版しました。配本は13日です。(2001.4.5記)


『終身刑を考える 年報死刑廃止2000-2001』を3月12日に配本しました。
 昨年夏には刊行するはずで、3月に座談会をしていたのですが、ずるずる遅れてしまいました。一つはこの出版不況下で毎月1点は出版しないとやっていけないので、手間のかかるものが後回しになったということ、もう一つの理由は、最初の企画「1999年は死刑制度にとってどんなにひどい時代だったか」というコンセプトの特集ではあまりにも漠然としていて読者をつかみにくいという懸念があったためです。しかし、良くも悪くも終身刑論議が起こり、ここに焦点を当てたいい特集になったと思っています。
                           (2001.3.14記)


 『年報死刑廃止2000-2001 終身刑を考える』はやっと29日に印刷所へ入稿の手ははずとなりました。メチャメチャ遅れてしまいましたが、終身刑について今もっとも重要な問題点についてきちんとした議論と資料を備えた形に仕上がったと思います。
 配本は3月10日前後になります。
                       (2001.2.23記)


1月27日(土)
 東京は大雪です。
 今週、小野和子編著『京大・矢野事件』の2刷ができました。
 2カ月ほど品切れにしており、ご迷惑をおかけしました。
 『インパクション』123号は来週31日下版、2月13日配本の予定です。
(2001.1.27記)


明けましておめでとうございます
しばらく書かない間に21世紀になってしまいました。
9月10月と本が出なくて、11月に『闘う女性学へ』、12月に『グローバル化と女性への暴力』、『火野葦平論』と、立て続けにだし、インパクションとも重なって忙しい年末でした。
いまは、『インパクション123号』と、自費出版本、そして一年遅れてしまった『年報死刑廃止2000-2001年』にかかっています。
また昨年12月7日、出版妨害訴訟は残念ながら控訴審でも敗訴、最高裁に上告しました。
本年もよろしくお願い申し上げます。(2001.1.13記)



11月2日(木)午前10時から、確定死刑囚との出版目的での接見交通権を求めた出版妨害訴訟の第2回弁論が開かれた。
 この日、私たちは元看守であった坂本敏夫さんの意見書と彼の著書『元刑務官が語る刑務所』、アメリカでの死刑囚の交通権について書かれた文書の翻訳を証拠として提出、そして塚田道生教誨師と免田栄元死刑囚の証人申請を行った。塚田さんは名古屋拘置所で長い間、元原告の木村修治死刑囚の教誨師をしてくれた日本聖公会の牧師で、修治さんの処刑後、葬儀をとり仕切ってくれた人。
 鬼頭裁判長は、争点との関係で直接関係する人ではないのでと二人の証人申請を却下。私の代理人の成田茂弁護士は、控訴審では心情とはなにか、安定とはなにかということを具体的に出したかったことを理解していただきたいと迫るが、裁判長はここでの問題は管理する側にとっての心情であり、免田さんは管理される側だったからだめだと応じた。結局これで結審となって、判決は12月7日1時30分からと決まった。
 この日提出した坂本さんの意見書は、刑務官の立場から死刑囚の心情の安定について書かれた説得力あるものだが、この裁判官がきちんとこれを読み、判決に生かして欲しいと思う。
 なお『年報死刑廃止』であるが、遅れついでに来年1月刊にし、2000年2001年合併号にする事にしました。特集1は終身刑問題である。死刑廃止の代替刑としての終身刑導入を主張する動きがあるが、いまは被害者遺族感情を持ち出すことでさらなる重罰化のための終身刑導入を進める動きが急である。このへんの問題を整理したいと思っています。

(2000.11.16記)


昨8月31日、死刑囚木村修治さんとの出版目的での接見を求めて拒否されたことに対する出版妨害訴訟控訴審(第1回)がありました。原告である私(深田)と菊田幸一明治大学教授が意見陳述を行いました。以下は私の陳述です。
*********************


意 見 書

 
二○○○年八月三一日 
                                  深 田  卓      




 確定死刑囚との出版目的での接見を名古屋拘置所が妨害したことに対する出版妨害訴訟に対して、本年一月二八日、東京地裁は私たちの訴えを棄却しました。しかし、この判決は非常に不当なものであり、容認することはできません。
 私は一審の法廷でも述べたように、どのように残虐といわれる罪を犯した人であっても、処刑されることで、被害者も、被害者遺族も救われることはないと思っていますし、加害者自身にとっても処刑によってなんの解決もありえないと思っています。被害者遺族にとっては加害者への憎しみが残るだけであり、加害者にとっても、自分で真摯に事件や生き方を考え直し謝罪を続けるのではなく国に殺されることで反省に代えよというのでは、ただただ憎しみの連鎖を作り続けるだけではないでしょうか。こういう死刑制度は一日も早く廃絶されるべきだと思っています。
 しかしいま現在、死刑制度は存在しており、毎年処刑が繰り返されています。この裁判の一審提訴時に共同原告であった木村修治さんも、提訴した一九九五年一二月に、無惨にも処刑されてしまいました。

 木村修治さんは自分の罪をとらえ返し、内省し、このような事件が二度と起こらぬようにとの願いを込めて手記を書き、その手記の出版を願っておりました。被告は木村さんの出版への希望を知らなかったといいますが、私は接見を予告した手紙で出版の打ち合わせであることを明記していますし、これまで雑誌や書籍で三度、木村さんの文章を掲載しており、救援会のニュースにも今年こそ木村さんの本を出版したいと書いた私の年賀はがきが掲載されており、名古屋拘置所が木村さんの希望を知らなかったわけはありません。知っていながら接見の妨害をしたのです。
 一審判決に次のようにあります。
 「監獄法四五条一項に基づく死刑確定者への接見の許否は、死刑確定者への心情の安定にも十分配慮して、死刑執行に至るまでの間、社会から厳重に隔離してその身柄を確保するとともに、拘置所内の規律及び秩序が放置することが出来ない程度に害されることがないようにするためにこれを制限することが必要かつ合理的であるかを判断して決定すべきものである。」
 木村さんのこの内省の記録を出版するために接見することが「拘置所内の規律及び秩序が放置することが出来ない程度に害される」とは思えません。こういう協同作業をすることこそが、本人の心情の安定になるのではないでしょうか。
 また一審判決では次のようにも言っています。
 「死刑確定者も表現の自由を享受するけれども、表現物を出版する過程における活動については、その地位の特殊性から制約が生じることはやむを得ない」
 表現行為というのは、非常に個人的な行為であると同時に社会的な行為でもあります。自分の思いを書き、それに対する意見を編集者から聞き、その反応を踏まえて作品や思想を作っていくことで表現物が完成していきます。また紙に書いたものと活字で組まれたものとでは印象が違うので、著者は必ず校正をし、手をいれます。この過程全体が表現行為であり、この表現行為を行うことを保障することが表現の自由を認めるということです。書いたものを渡しそれをそのまま本にすばいいということでは表現の自由を認めたことにはなりません。このことは一審での尋問で、私自身十分述べたことです。「死刑確定者も表現の自由を享受する」といいながら、「表現物を出版する過程における活動については、その地位の特殊性から制約が生じることはやむを得ない」というのでは、表現の自由を認めたことにはならない、まさに憲法違反の判決といわざるをえません。
 私たちは心情の安定を口実として、接見交通権を奪い、表現の自由を奪い、生きる意欲を奪い、殺しごろにしてから死刑執行をするという非人間的なやり方を変えていきたいと思います。この法廷が正しい判断をすることを願ってやみません。(2000.9.1記)


出版ニュース8月下旬号の原稿(完全版)です。
こんな私的なことを書かせてくれる「出版ニュース」に感謝!
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7月19日(水)
 池袋で中部地区労組の洋書センター闘争の支援の集会。当該の佐々木さんには安田好弘弁護士が逮捕された直後に行った支援の集会にきて発言してもらったし、死刑廃止の集会にいつも来てくれている。そのうえ安田弁護士がいわれのない罪をきせられて逮捕されてから5か月後に、彼もある争議の支援で事後逮捕され、安田さんと全く同じく10か月間東京拘置所に捕らわれていた。今年かれが保釈された直後には一晩飲んでカラオケまで行った。そんな関係もあって頼まれて死刑廃止フォーラム90と安田さんを支援する会の二つの団体から私が発言をしに行ったのである。この日は出版流通対策協議会の幹事会と重なっていたために、悪いとは思ったが、デモには出ずに公園を後にする。小さな出版社関係の争議のビラをずいぶん受けとった。
7月24日(月)
 『平沢死刑囚の脳は語る』を配本。平沢貞通さんが逮捕されたのは一九四八年。私の生まれた年だ。無実の死刑囚として四〇年以上の獄中生活の末に獄死させられたのは一一年前だった。つまり私の当時の人生全部の時間を、平沢さんは無実を主張しながら獄に閉じ込められていたわけだ。暗澹とせざるをえない。
 本書は平沢死刑囚獄死直後に東大医学部で摘出された脳を息子である武彦さんがとり戻し、死後再審請求の一つの証拠にしていく過程で編集したもので、五十年前に法廷に提出された鑑定書、「大量殺人事件の精神鑑定」の誤りを鋭く分析している。小社としては非常に一般書的なもので事前注文数が多い。
7月27日(木)
 『インパクション』一二〇号配本。配本前後の三日間は執筆者や定期購読者、あるいは広告掲載誌・交換誌などへの発送・出荷に忙殺されて、なにもできない。最新号の特集は「台湾−世界資本主義と帝国の記憶」。冨山一郎編集委員が中心になって作り上げた。なかなか良くできた号になった。
7月29−30日(土・日)
 中目黒のホテルで文学史を読みかえる研究会の合宿。今回の報告者は、平井玄、太田昌国、長谷川啓の三氏。約二十名集まって六〇年代の文学について議論する。この研究会は機関誌編集を軸に進めているので、六号(加納実紀代責任編集)のための事前研究会でもある。
 夜は近所の飲み屋で飲み会。ホテルに戻ってからも延々飲み会が続くが、私は不覚にも一時頃には喧騒のなか鼾をかいて眠ってしまった。みなさんは四時まで飲んでたそうだ。
 翌30日は遅れている「文学史を読みかえる」第五巻、(川村湊さんの責任編集号)を細かいところまで決める。これでやっと軌道に戻った。この研究会の成果をこれまで四巻小社から出版していて、いま第3巻の「〈転向〉の明暗」を重版中だ。
 私の関わっている運動団体や研究会、出版団体はすべてアルコール共同体的な側面が非常に強いのだが、とりわけこの研究会もすごい。前日朝まで飲んでおきながら、昼、解散後に全員で昼食を取ろうということになって恵比寿のビアガーデンへ。結局四時頃まで飲んだあげく、みな別れがたく、土用の丑だから鰻を食おうと鰻屋へ。うな重を食って日本酒、私はまたコテンと寝てしまった。飲んで寝るなんてことはほとんどないのだが、自宅の引っ越し準備で疲れ切っていたためだろう。
 しかし、ただ飲んでいたのではなく、川村湊さんの初期の代表作で絶版になっている『「酔いどれ船」の青春』の新版の発行を任せてもらった。即断即決で八月中に出すことにした。また川村編『梶山季之朝鮮小説集』の督促と、川村さんと池田浩士さんが死刑文学をめぐって何度かの対談をして一冊にまとめるという数年前からの企画の具体化に向けた調整もでき、実り多い日だった。
8月2日(水)
 出版流通対策協議会の出版の自由委員会の会議。「青少年有害環境対策基本法案」や東京都青少年条例の強化に対して流対協でも原則的な反対の姿勢を明らかにし、きちんと運動として取組んでいこうということを確認しあった。
8月3日(木)
 小社の『アート・アクティヴィズム』『攪乱分子@境界』の著者・北原恵さんが京都から出てきたので担当の須藤と三人で飲みに行く。
8月4日(金)
 『出版ニュース』から督促の電話。こんな私的なことばかりかいていていいのだろうか、読んでくれる方に悪いなあと思いながら、Eメールで送稿。
(2000.8.22記)


この1週間の行動日録を公開! 飲んでばかりいるようで、非常にまずいのですが。
6月16日(金)
 大阪拘置所に接見に行ってから京都で編集委員会。深夜まで飲む。
6月17日(土)
 せっかく京都まで来たので、書店営業。
6月18日(日)
 京都大学で、インパクション120号台湾特集の座談会。また深夜まで飲む。
6月19日(月)
 出版流通対策協議会経営委員会の会議。またまた深夜まで飲む。
6月21日(水)
 出版流通対策協議会幹事会。またまた飲む羽目に。
6月22日(木)
 このホームページを作ってもらっている小柳次郎さんと打ち合わせ。またまた飲む。
6月23日(金)
 出版流通対策協議会でのBK1の説明会。また飲む羽目に。
 噂の真相への右翼の嫌がらせに対する流対協の声明を出す。


 「右翼暴漢の「噂の真相」編集部への暴行に抗議する
                        出版流通対策協議会
                       東京都千代田区飯田橋3-2-5
                       現代ビル内
2000年6月23日
 私たちは中小出版社92社で構成する出版団体です。
 6月7日、右翼団体・日本青年社三多摩支部の二人が「噂の真相」編集室に訪れた。『噂の真相』6月号の1行情報で
「雅子が再び5月に『懐妊の兆し』で情報漏れ警戒した宮内庁が箝口令の説」
と報じたのに対し、皇太子妃に敬称をつけないのは皇室を侮辱している、謝罪し『噂の真相』を一号休刊せよ、と要求、これを拒否した編集長と副編集長に、灰皿を投げたりガラスの机や果物ナイフをふりかざし、10分以上にわたって暴れ、岡留編集長に全治14日間の傷を負わせたという。
 私たちは『噂の真相』編集部の「今回の件では恐怖心を感じたが、自由な表現活動を撤退するつもりは一切ない」との声明を全面的に支持すると共に、天皇表現のタブー化を推進する意図を持ち出版社に言いがかりをつけ、暴力による恫喝で自由な出版活動を規制しようとするあらゆる動きに対して強く抗議すると同時に、今後とも出版表現の自由を護る活動を推進します。」

あす6月25日は午後2時から以下のような集会(フォーラム90主催)があります。
ぜひ参加を。
辺見庸★講演会
死刑のある国●日本
わたしたちはどのような時代に生きているのか
6/25[SUN]
午後1時30分開場/午後2時開演東京・神田パンセホール[JR水道橋駅西口5分]参加費・千円
死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
フォーラム90実行委員会 東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所
TEL:03-3585-2331 FAX:03-3585-2330
                        (2000.6.24記)

6月9日(金)に、死刑執行の可能性が非常に大きいということで、死刑廃止フォーラム90などでは早朝7時から東京拘置所前の小菅万葉公園にて監視行動を行います。
集会開始は8時から。
なお7時30分頃から東京拘置所前の監視をインターネットにより全世界に中継します。
http://www.jca.apc.org/cpr/haishi/(2000.6.8記)

5月24日(水)『女に向かって』『アンボス・ムンドス』5号を配本。
5月25日(木)『インパクション』119号を配本しました。
いま連載終了後、発行の遅れていました池田浩士『火野葦平』の校正中です。
また加納実紀代著『天皇制とジェンダー』の校正作業も進行しています。もうしばらくお待ち下さい。
(2000.5.26記)

 『アンテルナショナル・シチュアシオニスト6 一つの時代の始まり』を刊行しました。
 この本は1958年から69年にかけてフランスで刊行されていた同誌全12号を翻訳し、関連資料と解説を付けて6分冊で年2冊刊行しようと始めた、小社としては大型企画です。
ただ非常に限定された読者層が対象であり、商業出版としては非常に苦戦を強いられてきましたが、監訳者の木下誠さんの熱意と、小社の執念でとにかく、1994年4月に第1巻を刊行以来6年がかりで完結しました。非常に少部数出版です。ぜひ早めにお買い求め下さい。
 また、4月28日配本予定でフェリックス・ガタリ、粉川哲夫、杉村昌昭共著の『政治から記号まで』1800円+税を刊行します。この本の成立に関して粉川哲夫さんの発言部分(本書の冒頭に載せています)を引用します。
 「ベルギーにジャン・ポール・ジャケットという、ラジオのワークショップで僕を呼んでくれた男がいたわけです。ベルギーはガタリに対する関心が高いんですよ。……僕はガタリに会ったことがある、インタビューもあるんだよと言ったところ、ぜひ見せてくれと言う。で、テープを送ったらバッーと起こしちゃったわけ(笑)。それを僕にインターネットで送ってきた。向こうで出したいと言うから、ガタリはなにしてもいいと言っていたから出しなさいと言った。たまたまその話をインパクト出版会の深田さんにしたらぜひ見たいと言うので送った。そしたら今度は杉村さんがばっと訳してしまったから急遽こういうことになった。こういうのを運動的ノリというんですね。」(粉川哲夫─本書の対談から)
 1月から『出版ニュース』誌(下旬号)に編集者日記を書かせていただいています。ぜひご覧下さい。
前回この欄で報じました研究会の日時が変更になりました。
5月13日(土)夕方7時〜 文京区女性センター
「戦後文学・思想の起源」
報告者・栗原幸夫
 『出版ニュース』から督促の電話。こんな私的なことばかりかいていていいのだろうか、読んでくれる方に悪いなあと思いながら、Eメールで送稿。
(2000.8.22記)


この1週間の行動日録を公開! 飲んでばかりいるようで、非常にまずいのですが。
6月16日(金)
 大阪拘置所に接見に行ってから京都で編集委員会。深夜まで飲む。
6月17日(土)
 せっかく京都まで来たので、書店営業。
6月18日(日)
 京都大学で、インパクション120号台湾特集の座談会。また深夜まで飲む。
6月19日(月)
 出版流通対策協議会経営委員会の会議。またまた深夜まで飲む。
6月21日(水)
 出版流通対策協議会幹事会。またまた飲む羽目に。
6月22日(木)
 このホームページを作ってもらっている小柳次郎さんと打ち合わせ。またまた飲む。
6月23日(金)
 出版流通対策協議会でのBK1の説明会。また飲む羽目に。
 噂の真相への右翼の嫌がらせに対する流対協の声明を出す。


 「右翼暴漢の「噂の真相」編集部への暴行に抗議する
                        出版流通対策協議会
                       東京都千代田区飯田橋3-2-5
                       現代ビル内
2000年6月23日
 私たちは中小出版社92社で構成する出版団体です。
 6月7日、右翼団体・日本青年社三多摩支部の二人が「噂の真相」編集室に訪れた。『噂の真相』6月号の1行情報で
「雅子が再び5月に『懐妊の兆し』で情報漏れ警戒した宮内庁が箝口令の説」
と報じたのに対し、皇太子妃に敬称をつけないのは皇室を侮辱している、謝罪し『噂の真相』を一号休刊せよ、と要求、これを拒否した編集長と副編集長に、灰皿を投げたりガラスの机や果物ナイフをふりかざし、10分以上にわたって暴れ、岡留編集長に全治14日間の傷を負わせたという。
 私たちは『噂の真相』編集部の「今回の件では恐怖心を感じたが、自由な表現活動を撤退するつもりは一切ない」との声明を全面的に支持すると共に、天皇表現のタブー化を推進する意図を持ち出版社に言いがかりをつけ、暴力による恫喝で自由な出版活動を規制しようとするあらゆる動きに対して強く抗議すると同時に、今後とも出版表現の自由を護る活動を推進します。」

あす6月25日は午後2時から以下のような集会(フォーラム90主催)があります。
ぜひ参加を。
辺見庸★講演会
死刑のある国●日本
わたしたちはどのような時代に生きているのか
6/25[SUN]
午後1時30分開場/午後2時開演東京・神田パンセホール[JR水道橋駅西口5分]参加費・千円
死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
フォーラム90実行委員会 東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所
TEL:03-3585-2331 FAX:03-3585-2330
                        (2000.6.24記)

6月9日(金)に、死刑執行の可能性が非常に大きいということで、死刑廃止フォーラム90などでは早朝7時から東京拘置所前の小菅万葉公園にて監視行動を行います。
集会開始は8時から。
なお7時30分頃から東京拘置所前の監視をインターネットにより全世界に中継します。
http://www.jca.apc.org/cpr/haishi/(2000.6.8記)

5月24日(水)『女に向かって』『アンボス・ムンドス』5号を配本。
5月25日(木)『インパクション』119号を配本しました。
いま連載終了後、発行の遅れていました池田浩士『火野葦平』の校正中です。
また加納実紀代著『天皇制とジェンダー』の校正作業も進行しています。もうしばらくお待ち下さい。
(2000.5.26記)

 『アンテルナショナル・シチュアシオニスト6 一つの時代の始まり』を刊行しました。
 この本は1958年から69年にかけてフランスで刊行されていた同誌全12号を翻訳し、関連資料と解説を付けて6分冊で年2冊刊行しようと始めた、小社としては大型企画です。
ただ非常に限定された読者層が対象であり、商業出版としては非常に苦戦を強いられてきましたが、監訳者の木下誠さんの熱意と、小社の執念でとにかく、1994年4月に第1巻を刊行以来6年がかりで完結しました。非常に少部数出版です。ぜひ早めにお買い求め下さい。
 また、4月28日配本予定でフェリックス・ガタリ、粉川哲夫、杉村昌昭共著の『政治から記号まで』1800円+税を刊行します。この本の成立に関して粉川哲夫さんの発言部分(本書の冒頭に載せています)を引用します。
 「ベルギーにジャン・ポール・ジャケットという、ラジオのワークショップで僕を呼んでくれた男がいたわけです。ベルギーはガタリに対する関心が高いんですよ。……僕はガタリに会ったことがある、インタビューもあるんだよと言ったところ、ぜひ見せてくれと言う。で、テープを送ったらバッーと起こしちゃったわけ(笑)。それを僕にインターネットで送ってきた。向こうで出したいと言うから、ガタリはなにしてもいいと言っていたから出しなさいと言った。たまたまその話をインパクト出版会の深田さんにしたらぜひ見たいと言うので送った。そしたら今度は杉村さんがばっと訳してしまったから急遽こういうことになった。こういうのを運動的ノリというんですね。」(粉川哲夫─本書の対談から)
 1月から『出版ニュース』誌(下旬号)に編集者日記を書かせていただいています。ぜひご覧下さい。
前回この欄で報じました研究会の日時が変更になりました。
5月13日(土)夕方7時〜 文京区女性センター
「戦後文学・思想の起源」
報告者・栗原幸夫
入会の申込みは京都大学総合人間学部現代文明論池田研究室075-753-6664
あるいはインパクト出版会まで。
DeMusik Inter.公開拡大学習会 最終回 近代化における「替え歌」
-----お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい----
提起:東琢磨
日時:5月20日(土) 18時〜21時半ころ
場所:北沢タウンホールらぷらす(2000.4.21記)

昨22日、『インパクション118』号を配本しました。特集は「日の丸・君が代」の拒み方。ページが増えたために1300円にさせていただきました。ぜひお買いあげください。定期購読者の方には21日に発送をしています。
文学史を読みかえる4刊行記念シンポジウム
2月に刊行しました『文学史を読みかえる』第4巻の「戦時下の文学}(木村一信編)出版を記念して、シンポジウムと懇親会を開きます。どなたでも参加できます。ぜひご出席ください。
日時・4月9日(日)午後2時〜5時30分まで
開場・文京区民センター(都営地下鉄春日駅上)
講演・成田龍一(日本近現代史研究)
パネラー・池田浩士
      林淑美
司会・木村一信
懇親会・5時30分〜 同じ開場で立食パーティー。会費3000円
問合せはインパクト出版会まで。
文学史を読みかえる研究会の予定
4月29日(土)2時から京都大学総合人間学部A328演習室で
 「会誌第4号「戦時下の文学を告発する!」」
 検事・田村都、下平尾直史
 被告人・木村一信、竹松良明、黒田大河、中川成美、池田浩士
 弁護士・募集中
 判事・養成中
 問合せは075-753-6664池田研究室
5月14日(日)2時〜 文京区女性センター(予定)
 「戦後文学・思想の起源」
 報告者・栗原幸夫
入会の申込みは京都大学総合人間学部現代文明論池田研究室075-753-6664
あるいはインパクト出版会まで。
 (2000.3.23記)

ガサ国賠控訴審判決
 もう12年も前のことだ。1987年12月26日朝、私の自宅に警察官3人がきて捜索差し押さえ(ガサ)を行った。家中ひっくり返して写真を撮り、ビラ・パンフ類、住所録などを押収していく。この年の12月はじめに逮捕された日本赤軍の丸岡修さんの旅券法違反被疑事件に関連してのものだったが、12月から翌年1月にかけて全国260カ所、まったく無関係な人たちの家を襲い情報収集した警察のやり方が許せないと、64人の原告が国家賠償請求を提起し、短時間でこれだけの捜索差押令状を発布しているが調査嘱託請求や、いかなる疎明資料で令状を発布したかを明らかにさせようと、粘り強く法廷でのやり取りが続いてきた。
 2月23日、東京高栽民事5部(魚住庸夫裁判官)で、この大型ガサ国賠の控訴審判決が出た。判決は一審をほぼ踏襲しながらも、一審判決で東京都を訴えた部分で一部勝訴した6人中1人を、警察の捜索差押令状の請求には合理的根拠がなかったとは言えないとして逆転敗訴にし、原告38人中5人(松下竜一さん、冨山洋子さん、故丸山友岐子さんら)への令状請求を違法なものと認めた。私は一審どおり敗訴である。
 この裁判では、日本赤軍と接触のあった可能性のある者に接触した者、その者に接触した者、というように知人の知人は全部疑わしいという無限に続く捜索差押令状の発布のやりかたでは、誰にでもガサができるということではないか。
 またこのガサは、令状請求理由の旅券法違反被疑事件を口実にしているだけで、市民運動の人脈の調査、そして88年に予定されていたソウル・オリンピックへの反対運動に対する事前弾圧であった。これは組対法の先取りとでもいうべき事態であって、なんとかこれに歯止めをかけたいというのがこの裁判の意味でもあった。
 この判決では、捜索差押をする警察官が犯罪捜査のために必要だと判断したのに合理的根拠がない場合のみ違法だが、それは原告に立証責任があるとの判断を示している。これでは、「合理的根拠があることについて一応の立証」をすれば、どこへでもガサできることにお墨付きを与えた判決であって、例え五人が一部勝訴したからといって喜んではいられない。
 なお、この判決を受入れがたい原告によって、上告することになった。
(2000.3.4記)

出版妨害訴訟1審敗訴、控訴審へ!
 1月28日(金)1時15分611号法廷。出版妨害訴訟の東京地裁判決は完全な敗訴であった。95年1月に提訴したのだから、ちょうど五年目の判決である。
出版妨害訴訟とは
 出版妨害訴訟とは、出版目的での確定死刑囚との接見拒否に対する国家賠償請求訴訟である。私は死刑囚・木村修治さんに『インパクション41号』(1986年5月、日本死刑囚会議・麦の会との共同編集号)に執筆してもらい、『死刑囚からあなたへ』『死刑囚からあなたへ2』を編集する過程で支援の人たちを通して木村さんと交流ができ、木村さんが自分の人生と事件をとらえ返した膨大な手記の出版を任されていた。
 なぜ事件を起こしてしまったのかを自分の生育歴にまでさかのぼって捉え返していく彼の自分との格闘は感動的なものだった。しかし1700枚という膨大な量であったこと、家族のこと、差別の問題などプライバシーに関わることが多数あり、木村修治さん救援会議と編集会議を積み重ね、前半を大幅に削除し、プライバシーに関わる部分など最低限の編集処理を行った。
 最終稿を確認してもらうために確定死刑囚になっていた木村さんとの面会に、94年8月、あとがきを依頼した菊田幸一明治大学教授と二人で名古屋拘置所に校正を持参して行ったのであった。
 手記は『本当の自分を生きたい』というタイトルで95年1月に刊行したが、名古屋拘置所の接見拒否によって著者本人に最終チェックしてもらうことなく出さざるを得なかったのである。拘置所の出版表現への妨害に対して、私と菊田教授、そして木村さんの三人が原告となり、出版と同時に安田好弘、成田茂弁護士らを代理人に立てて提訴、しかしこの年の12月に木村さんは名古屋拘置所で処刑され、残された二人で裁判は続行してきたのであった。
 また皮肉なことに、提訴したことにより私は共同原告として木村さんとの裁判目的での接見は認められ、2度会うことが出来たのだった。
 今回の判決は、結審から判決までの期間が長かったのでもしかして一部でも勝訴ではないかという期待と、Tシャツ訴訟という確定死刑囚への接見交通権をめぐる控訴審で現金の差入れが認められ、それが確定した直後だったために、確定死刑囚への接見交通権問題へ少しずつ風穴があいてきたのではないかという期待もあったのだが、結果は請求棄却であった。
 「死刑確定者も表現の自由を享有するけれども、表現物を出版する過程における活動については、その地位の特殊性から制約が生じることはやむを得ない」などと、市村陽典裁判長は判決文に記している。こいつはこの5年の裁判記録からなにを読んできたのだろう。もちろん控訴することに決める。
(2000.2.5記)

 ガサ国賠控訴審判決が1月26日にあると、ここでお知らせしましたが、今日になって裁判所から代理人へ連絡があり、2月23日水曜日1時15分から810号法廷に延期されました。
 まったくいい加減な裁判所のせいで、原告38人への電話連絡で無駄な時間を使ってしまいました。
 なお、出版妨害訴訟の判決公判は予定通り、28日(金)1時15分から東京地裁で。判決後、司法記者クラブで記者会見。

 『インパクション』117号は21日に配本しました。
 『アンボス・ムンドス』4号は24〜26日配本です。(2000.1.24記)

昨年暮れ、約300メートル移転しました。距離は短くても14年巣くっていた事務所からの移転は結構大変で、結局まる8日間がかりの仕事になりました。そのためもあって『インパクション』の下版は昨日1月11日までずれ込んでしまいました。
本年もよろしくお願いします。
小社の1月の予定は以下の通りです。
1月21日(金)『インパクション』117号特集フェミニズムへのバックラッシュ配本
1月26日(水)午後1時15分から大型ガサ国賠控訴審判決
       1987年12月から88年1月にかけて全国300カ所といわれる無差別ガサへの反撃の国賠訴訟の控訴審判決です。
1月28日(金)午後1時15分から出版妨害訴訟一審判決
       確定死刑囚・木村修治さんとの出版目的での面会を求めた編集者であるインパクト出版会の深田と、あとがき執筆を依頼された菊田幸一明治大学教授、そして木村さんの三人が、面会を拒否した名古屋拘置所すなわち国を相手取って起こした国賠訴訟である。
       95年1月提訴、以来裁判の場で出版・表現の自由と確定死刑囚の外部交通権をめぐって論戦を展開してきた。
       もし勝訴すると確定死刑囚の外部交通権に大きな風穴をあける画期的判決になる。
 1月29日(土)午後2時から文京区女性センターにて文学史を読みかえる研究会
       橘外男について
1月29日(土)午後5時からDeMusik Inter公開拡大学習会第3回、中野Plan-B
       提起・大熊亘・「民謡」というイデオロギー
     (2000.1.12記)

 インパクト出版会は移転しました。
 12月27日以降、インパクト出版会は300メートルほど移動して、以下の住所 に変わりました。電話・ファックスは同じです。
〒113-0033 東京都文京区本郷2ー5ー10 服部ビル2階
これまでより広くなりました。(2000.1.10記)